ダニエル・オランティアのワークショップに参加してきました!

1月17日(土)と18日(日)の二日間、いつもお世話になっているインプロアカデミー主宰、世界的インプロバイザーのダニエル・オランティア来日ワークショップに参加してきました。

今回初めて海外のインプロバイザーがファシリテーションするワークショップを受けたので、体験の振り返りをしようと思います。

大人の脳を忘れる

ワークショップ初日。
なんとなくダニエルを中心にして円になる僕たち参加者。

その光景を見てダニエルは「どの国でも起こる不思議な現象だ」と言っていました。

大人たちは自然と円になって待機する。だけど子どもたちは絶対に自然と円になったりしない、と。

ワークショップでは円になる、もしくは周りの人に合わせるという概念?が大人になると自然と形成されるのでしょうね。

そんな私たち大人に対してダニエルは、”大人の脳”を忘れるように言いました。

まず初めのゲームとして提案されたのは、子どものように色んなものに興味をもって、色んなところ全てにゲームを見つけること。

これがま~難しい。

2日間のワークショップを振り返ってみても、実はこのワークが個人的に一番難しかったかもしれない。

まず「何して遊べばいいの?」っていう戸惑いからスタートするわけですが、なかなか何をしたらいいか思い浮かばない。

ほかの人が椅子を組み合わせたり、布を使って思い思いに遊んでいく姿を見て、「ヤバい!どうしよう?!何かして遊ばなくちゃ!」と焦り、自分の頭の中に意識が向いてしまっていました。

途中で「これではダメだ!」と思い直し、「頭で考えるよりまずある物を触ったり動かしたりしてみよう!」と、ひとまずパイプ椅子を出してみて並べてみることに。

並べてみたら、なんだか飛び石のように見えてきた。そしたらふと「あ!椅子の上を渡って遊んでみよう!」と思いやってみることに。

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とりあえず椅子を使って遊んでみる

とりあえずゲームっぽいことをしてみた達成感。

だけど楽しいという気持ちより、とりあえずゲームを見つけられた安堵感の方が大きかったです(笑)

いろんなものに興味を持って試して遊んでみるって、言うは易く行うは難しだなと。

子どもの頃は当たり前にできていただろうことが、大人になるとできなくなる。それをめちゃくちゃ痛感したワークでした。

ひとまずインプロワークショップに参加するときは、大人の脳を忘れるということを頭の片隅に置いておこうと思います。

失敗をシェアする

ワークショップの中でとても印象的だったのが「失敗をシェアする」ということ。

この”シェア”が強烈だったのです。

インプロワークショップではよく”失敗するためのゲーム”をやります。

ダニエルのワークショップでもいくつか失敗するためのゲームをやりましたが、中でも「ミスターヒット」というゲームが強烈に印象に残っています。

「ミスターヒット」は、
→まず全員で円になります。
→名前を呼ばれた人が隣の人をタッチします。
→タッチされた人が別の人の名前を呼びます。
→名前を呼ばれた人は隣の人をタッチします…を繰り返すゲームです。
そして失敗した人は”死ぬ”というルールがあります。

ダニエルはこの”死に方”が一番重要だと言っていました。

僕たち参加者も失敗をオープンにする大切さを知っています。
なので今回も失敗した瞬間、みんな「あー!」と叫んだりして失敗をオープンにしていました。

ところがダニエルは「死ぬとき失敗したエネルギーを使って!みんなの目を見て」と、失敗をオープンにするだけではなく、みんなにシェアしてと言うのです。

たしかに失敗した人たちの視線は天を仰いでいたり、床に崩れ落ちて顔を伏せていたり、円の外に顔を背けたりしていました。

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死んだことをシェアしている

ダニエルに言われてから、みんな「失敗したー!死んだー!」というエネルギーをキープしつつ、一人一人の目を見て死んでいくようになったんですけど、これがすごく面白かった!もう誰かが失敗するたびに大爆笑!

場の空気がエキサイティングになっていくのを感じました。

ダニエルは「自分がバカでもいいんだとなれるようなトレーニングをしよう」と言っていたのですが本当にその通りで、「失敗したー!」とみんなにシェアするには、「自分がバカでいいんだ」と思えてないと恥ずかしすぎてとても無理(笑)

でも「自分がバカでいいんだ!」と思えていたら、「ちゃんとしなきゃ」とか「どう見られているんだろう」といった自意識が軽減されると思う。

少なくとも今回のワークショップ中、僕は自分がどう見られているか全然気にしていなかった(笑)

今後インプロワークショップで失敗するためのゲームをやる際は、失敗をオープンにすることはもちろん、失敗したことをみんなにシェアしてみようと思う。

たぶんいきなりやられたら、みんなびっくりすると思うけど(笑)

エネルギーを維持する

今回のワークショップ中、ダニエルが幾度となく言っていたのが「エネルギーをキープする」ことと「終わりを明確にする」ということ。

それはインプロゲームの時もそうだしシーンの時でもそう。
なんとなくエネルギーが落ちて終わってしまったらもったいない、と。

この”エネルギーのキープ”と”終わりどころにこだわる”でとても印象に残っているのが「脱獄ゲーム」。

「脱獄ゲーム」は、
→2脚の椅子を離れた位置に向かい合わせに配置します。
→看守は2人。看守はそれぞれの椅子の後ろに待機します。
→囚人は1人。囚人はます片方の椅子に座ります。
→囚人は向かいの椅子の後ろに待機している看守にサインを送ります。
→サインを受け取った看守は、囚人にサインを送りかえします。
→看守のサインを受け取った囚人は脱獄できる状態になります。
→囚人は今座っている椅子を離れる時、看守にタッチされなければ脱獄成功。
→看守からタッチされたら脱獄失敗。
というものです。

このゲームの追加ルールとして、脱獄が成功した囚人は、勝利を感じた瞬間のエネルギーを使ってモノローグに繋げます。

そしてエネルギーをホールドしたまま向かいの椅子に座ります。このときモノローグの終わりを明確にすることが重要。

また、もしも同じタイミングで脱獄する囚人がいたら、鉢合わせた囚人同士でシーンに繋げます。

囚人が複数の場合でも椅子に座るまでエネルギーをホールドすること、終わりを明確にすることは変わらず。

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脱獄した勝利のエネルギーを利用してモノローグ

このゲーム、脱獄した時のエネルギーを使ってモノローグやシーンに繋げるということがまず難しかったです。

慣れていないと、どうしてもモノローグになる瞬間エネルギーが落ちてしまうんです。(たぶんなにかやらなきゃと考えてしまう?)

それから脱獄が被った人とシーンをやるとき、終わりどころを合わせるというのも難しかった。

僕は、相手がシーンを続けていても、自分が椅子に座ったら自分の番は終わりだと思い込んでいました。

ところがダニエルから、「相手がシーンを続けていたら、たとえ先に座ったとしてもエネルギーをキープして」と言われギクッとしました。

というのも僕はインプロゲームのときもそうなのですが、自分に関係ないやと思うとすぐ気を抜いてしまうんです。

今回も、「舞台上からはけたら終わり。関係ない」と勝手に自分だけ終わらせていたんですね。

相手がシーンを続けていたらパートナーとして最後まで付き合う。そしてタイミングを合わせて終わらせる。

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脱獄したときの衝動を使ってシーン

パートナーを輝かせる、パートナーにいい時間を与えるというのがインプロではとても大事なので、「自分には関係ない」と思ってふと気を抜いてしまうクセを少しずつ減らしていこう。

エネルギーの流動、一体感で遊ぶ

今回のワークショップではエネルギーの流動や一体感を扱ったゲームも多かったです。特に印象に残っているが「オニのいないだるまさんがころんだ」です。

まずダニエルがオニになって普通のだるまさんが転んだをやりました。そこでなんとなくオニの振り向くスピード感、動いた人を指摘する正確性なんかを覚えます。

そしてダニエルがハケて「オニがいないだるまさんがころんだ」がスタート!

ダニエルは開始直前に「あなたたちにはオニが振り向く瞬間がわかります。動いて見つかった瞬間もわかります」と言っていたけど、ぶっちゃけ僕は「オニがいないのにだるまさんがころんだなんてできるの?どうやるの?」と懐疑的でした(笑)

ところが…

できてる!?
なんかできてる!!!!!!

オニはいない。なのにみんな同じタイミングでピタッと止まる!!
え?なんで?!

わからないけど自分もピタッと止まれるんです。しかも動いたのバレた!って思った人は自らスタート位置に戻る。僕も戻る。

オニはいないのに、まるで本当にオニがそこにいて振り向いているかのように、みんな真剣にだるまさんがころんだをしている。

みんなの集中力と一体感。それがゲームの緊張感を生んでいる感じ。すごい。すごい!!!

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オニがいないだるまさんがころんだ

示し合わせたように動いている様子を見てダニエルは「とても面白いことが起こっていていたよ」と言っていた。

そりゃあそうだろう。だってやっている僕でさえ不思議だったんだから。

「これはインプロじゃない!事前に合わせていたんだろう!」と観客に言わせたら、それは最高の褒め言葉だともダニエルは言っていました。

たしかに示し合わせたようにみんなが動くさまを見たら、本当に即興か?と疑う気持ちはわかる。

みんなでエネルギーの流れを一体化させるワークはやる側も観ている側も不思議な楽しさがある。

まとめ

今回のワークショップはとにかくエネルギーをものすごく使った。
エネルギーの源は好奇心。

自分の頭に意識がいき過ぎていたり、「どうでもいいや」と無関心でいるとエネルギーは落ちてしまう。

相手、場、空間、観客…自分の中ではない部分に意識、好奇心を向け続ける。それがインプロでは大事なんだなと再確認した2日間でした。

大人になると色んなことに興味を持ったり、そこにあるものでゲームを見つけ続けるというのは本当にしんどい。

子どもはそれを楽しんでひたすらやってるからすごい。
子どものエネルギーを見習って、インプロするときはエネルギーを調節しつつ、落とさないようにしていこうと思います。